コラム&イベントレポート

23年前に学ぶ

1月も中旬に差し掛かり、「1月は行く」を改めて実感します。

遅ればせながら、本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、この原稿を執筆している1月17日は「阪神・淡路大震災」が発生した日です。
6434人の方がお亡くなりになり、今もなお3人の方が行方不明とのことです。
私も当時、神戸に住んでおり自宅が全壊したため近くの小学校で数週間避難生活を送っていました。
水道が使えない、電気がつかない、ガスが出ない等、普段当たり前に使っていたものが使えなくなり、また、いつ終わるかわからない余震の恐怖に怯えながら生活していたことを思い出します。

しかし、この震災をきっかけに学んだこともありました。

避難先の小学校では当然全員が顔見知りではありません。むしろ知らない方のほうが圧倒的に多い状況でした。
ただ全員に共通していたことは家では生活できない、何とかその日を生き延びなければならないという状況下にあるということでした。

誰がというわけではなく、倒木を運動場まで運んできて炊き出しに使用したり、庁舎に掛け合って避難者分の毛布の配給を受けたり、高齢者におにぎりや配水車からの水を運んだりと、現在でいう「ボランティア活動」が自然発生的に起こっていました。私も誰かに言われたからというわけではなく、気が付いたらそれらの活動に参加していました。

私自身人のためにという意識は全くなく、いつどうなるかわからない状況の中で、止まっているよりは動いている方が楽だったというのが理由でした。23年たった現在、色々なことをやってみたいと思う気持ちはこの頃に養われたのかもしれません。

23年前の今日、被災者すべてがその日がどうなるかわからない状況でした。ただ生き延びたいという願いは共通でした。この状況下から脱したいという思いが引き金となり、生きていくための行動を引き起こしたのだと思います。当事者、ご家族、支援者、地域が同じ願いを共有し生活できればと改めて思いました。