コラム&イベントレポート

相談支援事業開始にあたり

2018年4月1日、二色福祉会に新しい事業所「障がい者相談支援センターにしき」がオープンしました。

事業所名が示す通り、「特定相談支援」「障害児相談支援」(障害児相談については2018年5月1日開始予定)を行います。

そもそも「相談支援」とは

現在、障がい福祉制度には様々な種別の事業があります。一つのサービスを利用されている方もいれば、複数利用されている方もいます。利用方法は様々ですが、すべての方に共通していることは「自分が思う、幸せな生活を送りたい」という点だと思います。「幸せ」の基準は人それぞれだと思います。友達と遊んでいる時、甘いものを食べている時、家族との団らん、仕事の後の一杯等々、それぞれの価値観で「幸せ」を感じていると思います。

そんな「幸せ」を誰もが望みながら、日々の生活を営んでいます。生活を営むにあたり、私たちは数々の「選択」をしていかなければなりません。言い換えれば自分が希望する生活を送るには、自分で選択をしていかなければなりません。そして選択をするためには物事を「知る」「体験する」といった経験をしなければ選択することはできません。

知的障がいの方や発達障がいの方には「知る」「体験する」といった機会そのものが少なかったり、予測することが難しく、イメージが持ちにくい方がいらっしゃいます。またコミュニケーションそのものが苦手な方もいらっしゃいます。意思が表出できず、生き辛さを抱えている方も少なくないと言えます。

支援者はその方のふるまいを注意深く見て、何を考え、どうしたいのかという思いを推測して実際の支援に反映させています。その方の特性を見抜き、少しでも新しいことに対する不安感や抵抗感を軽減しながら、新しいことにチャレンジしてもらいます。これが後に選択肢の一つになり得るかもしれません。その人の状況をどこまで把握し考えられるかがポイントとなります。

しかし支援者一人ではその人の一部分しか見ることができず全体像が分かりません。作業所に勤めている方の日中の仕事の様子はわかっても、家でどのような生活を送っているのかはわかりません。家では難しいと思われていたことが、作業所ではできていたという話はよくある話です(その逆もありますが)「ホームでどのように過ごしているのか」「ヘルパーさんとどんなところに出かけているのか」といったような疑問が出てきます。各担当でその人の様子が知りたくなり、情報が共有できればその人が真にやりたいことが見えてくるかもわかりません。

相談支援は福祉制度の情報を伝えることも一つの業務ですが、様々なサービスを調整(コーディネート)し、その人がどのような生活を望んでいるのか、方向性(ゴール)を示すことが重要と思います。ゴールに向かうには色々な手段があると思います。行く手段は多様で良くても最終の目的地は同じでなければなりません。ご本人を中心に周囲が同じゴールを目指す為の調整役だと考えています。

二色福祉会の相談支援事業所として

障がい者相談支援センターにしきでは、ご本人を中心にご家族や関係機関と同じ方向を見据えながら、一緒に目的地を目指していくことができればと考えています。今回事業所を立ち上げるにあたり、たくさんの方のサポートを受け、開設することができました。これは「貝塚市の障がい福祉を盛り上げたい」という共通の思いがあったからこそだと思います。ご本人を中心としたチームが共通の思いを持って進んでいくのをサポートする、応援団のような事業所でありたいと思っています。

少しでも身近に感じていただけるような事業所を目指しますので今後ともよろしくお願いいたします。